前回に引き続き、ここでも谷田部について紹介をするのですが、今回は谷田部小学校付近の街並みについて紹介します。(八坂神社は、小学校から徒歩5分ほどの場所にあるんです!)
谷田部小学校周辺の街並みを一言で表すと、「昔ながら」!
付近には神社やお寺をはじめとした歴史的施設、古くからの商店や、住宅街がたくさんあるのです!
私は都市計画を志しているので、授業で学んだことを生かしつつ、この土地について少し分析してみます!
まず、谷田部小学校周辺の地図を見てみましょう。
(国土地理院:地理院地図,https://maps.gsi.go.jp/#18/36.033539/140.075664/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f0)
北西に市立谷田部小学校があり、東側には南北に谷田川が流れています。
ちょっと道が変な形であると感じませんか?くねくねしています。
実際に訪れてみると、それを肌で感じます。
これらはどちらも同じ通りの別の場所なのですが、道がカーブしがちなのが伝わると思います(伝われ…!)。この通り沿いには飲食店や商店があり、商店街として知られているメインストリート的道です。
この通りの他にもくねくねの道が多いのですが、どうして変な形の道が多いのでしょうか?自然的地形ではこんなにくねくねしないだろうし、区画整理がされたにしては複雑で入り組んでいます。
どうしてでしょうか…?
次に、谷田川から見える景色を紹介します。
谷田川には、八坂神社から徒歩5分ほどで着くことができます。住宅街を抜けると、視界がとても開けた場所に出ました!
田園風景と言ったらこれ!という景色が広がっていました。
トトロみたいな景色ですよね!まちなかとは違い、のどかですがすがしいです。橋のさび具合から、だいぶ長い間使用されていることがうかがえます。
また、写真の奥に見える森は、高台になっており、中には愛宕神社と医王寺があります。(写真に、緑色の屋根が見えているんです!立派なお社であることがわかりますね。)
それにしても谷田部って、お寺や神社が多すぎ…?
下の2枚は橋の上からそれぞれ南、北を眺めた写真です。
南側にも北側にも高層住宅は見えず、低層で空間的に余裕のある住宅地が広がっていることがわかります。
農地と住宅地が混在しており、川沿いには大きくて立派な住宅が多いことが印象的でした。(個人宅なので写真には写せなかったんですが、本当に立派なおうちがたくさんありました!土塀で囲まれている家もぽつぽつ…情緒ある住宅街が見られます。)
既存の建造物に年季が入っていることや、高層住宅地がほぼ見られないこと、立派な住宅が多いことなどから、古くからの土地利用の様子はあまり変わっていないようです。
さて、ここまで谷田部のまちを歩いてきて私が思ったことは以下3つ!
・道が変な形で複雑…?
・お寺や神社が多い!
・古くからの土地利用が変わっていない
これらに共通した理由のようなものがあるかなあ…と探していたら、
説明できそうな谷田部の特徴を見つけました!
かつて谷田部小学校周辺は、谷田部藩主であった細川氏によって統治されており、小学校があった場所には谷田部藩陣屋があったのです。(写真の看板は、谷田部小学校の前に立っています。)
(陣屋と城の違いについて豆知識。小さい藩の藩主は大きな城は持てない。実質的には城だけど、江戸城などの城ほど大きくない、藩の本拠地のことを陣屋と呼ぶ。)
陣屋自体は現存していませんが、陣屋の敷地は小学校の敷地と周辺の住宅街を含めた範囲であることが分かっています。(今の谷田部小学校の2倍くらいの大きさらしい。)
お城ほどじゃないにせよ、大きな建物があったんですね。
谷田部藩陣屋は前述の通り、城の役割を果たしたものです。この地域一帯が城下町のようになっていたと考えてみましょう!
城と同じように、陣屋の周りにも堀がめぐらされていて、それらは谷田川につながっていました。堀を埋め立てて道にしていたなら、できた道がくねくねしていても納得!な気がします!
また、城下町にはお寺や神社がつきものです。城下町の構成要素には、家臣の屋敷、商売どころ、農民の土地に加えて、お寺や神社も含められていました。谷田部小学校の周辺にお寺や神社が多いのは、周辺に城下町が広がっていたからではないでしょうか!
古くからの土地利用については、駅から少し距離がある、ということもあるかもしれませんが、近くに陣屋があったという事実も一因になっていると考えます。
神社やお寺などで行われる地域行事の様子や、歩いているとところどころに見られる歴史的建造物の存在から、地域の人々の確かな愛着を感じました。
歴史がぎゅっと詰まっている「昔ながら」のまち谷田部、おすすめのお散歩スポットです。
(全然触れられませんでしたが、ご飯屋さんもたくさんあるみたいです!ぜひ!!)
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