こんにちは。芸術専門学群2年の西海裕貴です。こちらは二本立ての後編となります。
今回も引き続きつくば周辺市街地のひとつである北条地区をご紹介していきたいと思います。前回最後にご紹介したのは熊野神社。ここから参道を下って取り敢えず東に歩き始めます。すると開けた空間に出ました。ここは日向廃寺跡といって、なんと平安時代から鎌倉時代にかけてのお寺さんの跡のようです。それっぽい遺構が見えますが、レプリカでしょうか。本物で野晒しは問題がありますからね。立て看板に目を移しては読み込んでいきます。結構格式の高いお寺のようで、造りや一度再建されていることからも重要視されていたようなことが伝わります
満足するまで見たところで、東へと歩みを再開していきます。すると今度見えてきたものは石碑と祠のようなもの。なんでも毘沙門天種子板碑というもののよう。毘沙門天の像ではなく、それを表す文字を彫ったものであるとか。毘沙門天は福徳財富の神ということで七福神の一柱として広く信仰されていますから、このような町中にあっても違和感はないですが、ここの辺りは神社や寺院といったものが多く集中しているように感じます。となると、そのようなところを巡るのもありかもしれません。そう思いまして、次に向かうところは鹿島神社に定めます。
そうして再び東へとお寺とお墓が見えるまで歩きますと、交差する道路に行き当たります。この道が鹿島神社へと通じる道のようです。左手に竹藪、右手にお寺さんのお墓という道を北上していくと突き当りに見えました、鹿島神社の鳥居です。鹿島と言えば鹿嶋市の鹿島神宮を思い浮かべますが、分社であったりするのでしょうか。まぁ、少なくとも同じ御祭神ではあるのでしょうか。先程の熊野神社も和歌山県の熊野本宮大社が脳裏をよぎります。そうこうしている内に鳥居の元に辿り着きました。今回はなんと鳥居から社が見えます。先程の熊野神社同様こじんまりとしたものではありますが、参道の階段がだいぶ整っています。これは助かりますね。
こちらにも二礼二拍手一礼。ちなみに出雲大社や伊勢神宮といったように参拝方法が異なる場所もあります。ここらもそうでしたらどうしましょう。まぁ、分からなければ二礼二拍手一礼で良いでしょう。なによりも気持ちの問題だとも思います。社の周りをいろいろと見て回った後、参道を下り、鹿島神社に別れを告げます。先程左手であった竹藪が今度は右手に。暑い中心地よい風が竹藪を揺らし、鹿威しに似た音を立てます。これはなかなか良い風情を感じますね。さらに道を下っていき途中に目についたお店へ。パンフレットを置かれているようなのでお邪魔してみます。
こちらではパンフレットを頂くだけでなく、お店の方から北条や周辺についてお話を伺うことができました。折角なので、感謝の意を込めて北条米スクリームというご当地アイスを頂くことに。これは販売者が北条街づくり振興会とのことで、北条という地域の街づくりに対する力の入れようが伝わります。固いとのことで少し置いて自然解凍してから食べると良いとのことでした。そう聞くと新幹線のアイスクリームを思い出しましたが、確かに固い。新幹線のアイス以上でしょう。味はこれまたあっさりとしていて食べやすいもので、好みの方は多いのではないでしょうか。
さて食べ終えたら、お話の中で出たつくば道の道標を見に行ってみようと再び東へと歩き始めます。地図を確認して八坂神社を最終目的地にしようと考えていたので丁度良いですね。北条ふれあい館といった歴史感じられる建物を横目に過ぎつつ、見えてきました道標です。これが筑波山へと通じる道ということですね。しばし立ち止まり、筑波山へと思いを馳せしたら、八坂神社へと向かいます。途中、登録有形文化財だという宮本家住宅を観察しつつ、八坂神社へと到着しました。街中にあることからか、地域の中で核となるような神社なのかもしれません。これまで見てきた2つの神社とは大きさも周りの様子も異なります。
こちらには五輪塔というものがあり、経筒が納められているようです。神社の境内にあるという点が非常に興味を引きますね。神仏習合を感じます。八坂ということでこちらは京都の八坂神社、祇園さんに関係しているのでしょうか。最後に訪れる場所としては、こちらから見える景色も相まって良い場所となりました。
さて、このようにして今回、結果としては神社を中心に北条を巡ったわけではありますが、何とお伝えしたらよろしいでしょうか。なかなか平日に行ったことも関係しているとは思いますが、人通りが想定よりも少ないことが印象に残りました。車通りはあるのですが、出歩いている人はまったくと言っていいほどみかけませんでした。本当にお話を伺った方だけですね。観光地と聞いていただけに、少々驚きを感じたものです。土日祝日に訪れてみないと分かりませんが、街づくりを考えるのであれば平日だから静かで良いというわけにはいかないでしょう。平日祝日関わらず街を訪れてくれる方が出てくるような方策が必要なのではないでしょうか。聞いた限り土日祝日しか開いていない施設が多いというのも現実を表しているように感じます。それとも、余り平日は重要視していないのでしょうか。
伺ったお話の中では季節ごとに行う北条市というものがあるそうです。つまり年4回のイベントということになります。確かに、季節ごとに何かを行い、その時だけ集客を図るという方法も良いのかもしれません。そのようにして考えてみると、これだけ神社仏閣が狭い範囲に集中している地域でありますから、御祭神等にちなんだスタンプラリーというのも1つの催し物として良いのではないかという考えに至ります。準備や管理が大変ではありますから、北条市の時期に合わせたりするのはどうでしょう。周辺地域にもいくつか神社仏閣があるようなので大規模にやってみても面白いかもしれません。ロゲイニングというデジタルな手段も良いですが、昔ながらの台紙にスタンプを集めていく、というのも魅力的ではないでしょうか。私は小さい頃に七福神のスタンプラリーに参加したことを今回の北条巡りで思い出しました。今でも紙に押したスタンプは手元に残っていますし、良い思い出となっています。明確な形があるというのはそれだけで利点ではないでしょうか。
なんにせよ、まだまだ有効活用できそうな地域資源は眠っていそうですね。
では最後に筑波山で締めたいと思います。普段つくばエクスプレスの車窓から見えるものよりだいぶ近いですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
因みに帰りのバスは一時間後でした。いきあたりばったりはこれだから面白いです。
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