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北条まちあるき前編・歩いて見つけたランドスケープ

こんにちは。芸術専門学群3年の近藤彩加です。今回私は江戸時代につくば道の起点となり商業地として栄えた北条地区をまちあるきしてその魅力を調査してきました。最初に向かったのが北条大池です。北条大池は新池、小池、北条大池3つの池から成り立つ池の集まりです。取材当日、小池や北条大池には暑さの中でも釣りを楽しんでいらっしゃる人たちの姿が見られました。何を釣っているのか伺うとヘラブナを狙っているとのことでした。しかし外来魚のブルーギルが多くて困っているとも話していました。新池にはたくさんの蓮の花が咲いていてその美しさのためかサイクリング中に足を止めて蓮の花を撮影している人の姿も見受けられました。


次に向かったのは平沢官衙遺跡です。平沢官衙遺跡は今から千年以上前の奈良・平安時代の常陸国筑波郡の役所跡です。昭和50年の調査で重要な遺跡であることが判明し、後に国の史跡に指定されました。私が向かったときには遺跡の周りの除草作業をしていました。丁寧に除草作業されている様子を見て、地域に大切にされている遺跡であることがひしひしと伝わってきました。遺跡は一号建物と二号建物、三号建物の3つで構成されていてひときわ目を引いたのは真ん中に存在する二号建物でした。二号建物は土倉で復元されていて双倉構造になっています。左右対称の造形がとても美しいなと思いました。


次に向かったのはつくば道です。つくば道の入り口にはつくば道道標があります。これはかつての筑波山参詣道の入り口を示すものです。この道は「日本の道百選」にも選ばれています。取材しているときに車通りが多かったため地域の人々にとって交通の重要ポイントであることが分かりました。道標は3メートルを超えていて堂々とした雰囲気を醸し出していました。つくば道をまっすぐ行くと筑波山神社へと続きます。筑波山神社は筑波男ノ神、筑波女ノ神を祭神とし、縁結び、夫婦和合の神として広く信仰を集めています。取材時つくば道周辺には提灯が設置されていて祭の準備をしているようでした。


次に訪れたのは多気太郎五輪塔です。鎌倉時代初期に作られた古様を残す五輪塔です。地元では毎年八月に「タキタロ万灯」が催されます。多気太郎はフルネームが多気太郎義幹で平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武将・御家人です。多気というのは北条地域の昔の呼び名で鎌倉時代の初期から北条と呼ばれるようになりました。そんな多気を平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて領有していたのが多気太郎義幹です。五輪塔を訪れた際には農作業の休憩中と思われる方々がそこで休んでいて地元の人たちの憩いの場にもなっているのだと感じました。なくなってしばらくたった今でも多気太郎が地元の人たちに愛されているのだなと実感しました。


前半最後に訪れたのはつくばりんりんロードです。北条を取材した日は気温30度以上ありましたが、猛暑の中つくばりんりんロードでサイクリングを楽しんでいる人達の姿が見られました。つくば霞ヶ浦りんりんロードは旧筑波鉄道の廃線敷と霞ヶ浦を周回する湖岸道路を合わせた全長約180㎞のサイクリングコースです。自転車専用の道路でサイクリングや散歩に適しています。このサイクリングコースをたどると豊かな自然や風景、歴史的・文化的資産など様々な地域の魅力が楽しめるようになっています。ランドスケープデザイン論の授業においてランドスケープデザインとは人間が関わる土地や空間を用(実用性・機能性)・景(景観性・美観性)・環(自然性・快適性)等を考えながら安全・快適で文化的な環境としていくための創造的な行為と学びましたが、まさにこのつくばりんりんロードは地域の特性を生かしたランドスケープデザインであると思います。以上で前半の記事を終わります。続きは後半へ!



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